2018年4月1日日曜日

土岐川氾濫の歴史と水害対策

1 土岐川水害の歴史

土岐川氾濫の歴史と水害対策
「土岐川」多治見フィルムエンジン より

荒ぶる川、その名は土岐川

1920年ごろの土岐川は現在と比べて、大きく曲がりくねっていました。
大雨が降ると、たちまち氾濫し、田畑や家をのみこみ、人々を何度も苦しめてきました。
池田町周辺も、何度も被害にあってきました。
池田の町中を流れる辛沢川も、土岐川の逆流によって何度も氾濫してきました。
池田の稲荷山のふもとの流れは急で、渦を巻いていて、人がおぼれ死ぬこともあるほどでした。

原因の一つは、池田稲荷の山と向かいの脇之島の山のため川が大きく曲がり、川幅が急に狭くなっているからです。
そのような形状なのに、上流には笠原川や大原川が土岐川に合流し、水かさが増えるのです。
山では陶器の原料となる陶土を掘り起こすなどするため、保水の役目を果たす木々は少なくなり、雨が降ると一気に水が川に流れ込む現象を起こしていました。

池田と脇之島の堤防あらそい


池田と脇之島の人々は、土岐川の氾濫に苦しめられてきました。
氾濫に備えて、堤防を高く長く丈夫にするほど、反対岸で川が決壊し浸水してしまいます。
そのため、堤防をめぐってあらそいになりました。
一時は、土岐川を真っすぐにする川がえ工事の是非をめぐって騒動となり、工事はいったん中止となりました。

実施された土岐川の川がえ工事


いったんは中止された川がえ工事ですが、蛇行したままの川では氾濫が起きてしまうのは明らかでした。
中央線が開通し、線路の土手が少しは堤防の役目をするものの、氾濫は止まりませんでした。
土岐川が氾濫すると、池田の1/3ぐらいの家は全部水浸しになって、ひどいところは屋根の高さまで水に浸かってしまうほどでした。

1932年、とうとう土岐川の流れを真っすぐにする大工事が始まりました。
工事には4年の歳月がかかりました。


2 集中豪雨や台風などの水害から身を守るには


2011年9月、台風15号の接近により東海地方は記録的な大雨となり、多治見市池田町前畑町をはじめ平和町周辺も床上浸水となりました。
これまで土岐川を管理する国土交通省さんや多治見市役所さんが水害対策を講じてきました。
しかしながら、近年の異常気象や集中豪雨は、通常では考えられないほどの脅威を引き起こしています。
多治見市浸水予想図では、池田町周辺では100年に1度の大洪水で、1mから5m未満の浸水が予想されます。

では、私たちが集中豪雨などの水害から身を守るには、どうしたらいいでしょうか?

水害対策には、①どんな事前準備が考えられますか?
②水害当日、どんなことをやってはいけないですか?
③水害当日、どうやって身を守るべきでしょうか?

一度、じっくりと考えてみましょう。

①事前の準備・確認


  • 非常用食品や懐中電灯、医薬品などの非常用品の準備
  • 断水に備えて飲料水を確保
  • 学校や公民館など、避難場所として指定されている場所への避難経路を確認しておきましょう(自治体は災害時にどこが危険な場所なのかや避難所などを示したハザードマップを作っています。それを見て避難先を確認し、経路など具体的な行動を考えておきましょう。)
  • 普段から家族で避難場所や連絡方法などを話し合っておきましょう。

*これはほんの一例です。これだけが正解ではありません。

台風や集中豪雨から身を守るために自分で行う災害への備え/気象庁

防災マップ(浸水(ハザードマップなど))/多治見市

国土交通省中部整備局庄内川(土岐川)河川事務所

②やってはいけないこと


  • 川や用水路など、水が押し寄せてきそうなところにむやみに近づいてはいけません。
  • なんでも一人でやろうとせず、無理なときは周りの大人に助けを求めてください。

③水害当日、どうやって身を守るべきか


気象庁の発表する注意報や警報をこまめに確認する
気象庁は、このような気象災害を防止・軽減するために警報や気象情報などの防災気象情報を発表し、注意や警戒を呼びかけています。災害から身を守るためには、これらの防災気象情報を有効に活用することが重要です。

場合によっては建物内で避難
大雨や強風などで、避難所へ移動することが危険な状態になったときは、屋外に出ずに建物内で避難しましょう。この場合、建物の上層階、山や崖が近くにある場合には、その反対側の部屋などに移動します。

自分より弱い人を助け、最善な行動をとりましょう
高齢者や身体障碍者、幼い子どもは一人では避難しづらいです。
自分だけ、という気持ちを持たず、弱い人を助ける精神を持ってください。
自分一人ではどうしようもないときは、周りの人に助けを求めてください。
刻々と変わりゆく自然災害の中で、一人一人が最善を考え行動すれば、一人でも多くの命が救えるはずです。

台風や集中豪雨から身を守るために/気象庁